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ベンチャー法務の部屋

ベンチャー企業のお金の使い方

以前のエントリーでご紹介した『ガズーバ!―奈落と絶頂のシリコンバレー創業記』という本の中に、シリコンバレーで創業したベンチャー企業がベンチャー・キャピタルからの資金調達に成功した後、ベンチャー・キャピタルの担当者からお金の使い方について、指導されるというシーンがあります。
 

「金の使い方が遅い!」と叱られる

昔は投資の目的は「Preservation of Capital」、すなわちインフレで資産が目減りしないようにするのが目的だった。でもVCの投資目的は違う。だから「目的遂行のためにしっかり金を使え! 使ってないってことは何かがおかしい!」という具合になる。必要なコンサルタントはどんどん雇って、プロジェクトをとにかく前へ前へと進めなければならない。(引用終わり)

 
ここには、株式で資金調達した会社やベンチャー・キャピタルからの出資の大きな特徴が出ているように思います。勿論、やみくもにお金を使うことが奨励されているわけではありません。しかし、経営者が自分でコツコツ地道に時間をかけてプロジェクトを進める代わりに、お金を使って効率よくスピードアップする(そして、チャンスを逃さない)ことがこのような世界では求められているように思います。一歩進んで言うなれば、資本効率について、常に株主から強く意識させられているということでしょうか。

この本では、実に様々なコンサルタントが登場します。著者の大橋禅太郎さんは、そのうち1人の会議を効率的に進めるためのコンサルタントから受けたレクチャーを基に、『すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!』という本を出して、その内容でコンサルティングをされている程です。他にも、マーケティング・コミュニケーション、CFO、総務、広報、人材採用と、様々なレンタル人材や、ネーミング、ロゴ、法律家等のコンサルタントが出てきます。こういった人材レンタル文化、コンサルタント文化もシリコンバレーのスタートアップ・サポートの生態系の1つといえるのでしょうね。

日本の製造業系のベンチャー企業で、技術や商品のアイディアは良いが、その他の分野(マーケティングやブランディング、総務、知財戦略から経営そのものに至るまで)はカバーできていないというケースが時々みかけられるように思います。このようなケースでは、極端な話、他からCEOやCFO、その他のプロフェッショナルをレンタルし、創業者兼技術者は、一旦、CTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)等になることも含めて、検討することにより、道が開けることがあるのではないでしょうか。第三者がこのようなことを申し上げるのは筋違いのことも少なくないですが、一度、思考実験だけでもして頂いて損はないかと思います。

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