ここから本文です

国際法務の部屋

中国語人材の採用

2019年4月16日付け日本経済新聞の夕刊で、「中国人の日系企業社員 上位大学卒も「二流」意識」との記事がありました。

記事の中には、「中国の大学生に人気のある就職先は、まず国営の大手企業が1番で、その次に欧米系の有名企業となる。日系企業は人気も給与もその次にランクされるため、やはり一流ではないという意識が生まれるという。」との記載がありました。

たしかに、私も、中国人の友人から、同様の話を聞いたことがあります。

 

とはいえ、私が知り合った中国人で、日系企業で働いている方は、ほとんどの方が非常に優秀です。言語能力についても、2か国語を話せる方が大半ですし、3か国を話せる方も珍しくありません。

 

中国に関連するビジネスを展開している日系企業にとって、(日本語能力、ビジネススキルといった、日本人従業員が有すべきとされる能力も一定程度有していることが前提になるかと思いますが)中国語をネイティブレベルで話せるスタッフというのは、貴重な戦力であることは間違いないでしょう。

 

なお、外国籍の人を採用する場合には、ビザなどの在留資格の確認等の法令上必要とされる諸手続が必要であるほか、契約内容に誤解を生じさせないために、予め書面などで、契約の詳細まで明確にするなどの配慮があった方が、よりトラブルを未然に防ぎやすくなります。

 

冒頭の記事に記載されているような状況はあるものの、その中で、どのように、中国語人材の採用を行い、組織を構成していくかという点も、ビジネス戦略を構成する重要な1要素になっていると感じます。

 

弊所においても、本年4月1日から、台湾出身のスタッフを採用しました。彼女は、中国語はいうまでもなく、日本語、さらには、イギリス留学経験もあることから英語も堪能です。まだ3週間程度の在籍ですが、すでに、その多岐にわたる能力を発揮し、大いに活躍してくれています。

アクシス国際法律事務所では、弁護士・スタッフにかかわらず、より一層、国際業務において提供させていただくサービスの質を向上すべく、日々、尽力したいと思います。

(文責:藤井宣行)

2019年04月19日 09:19|カテゴリー:

|タグ:

コメントはまだありません

中国企業との契約における違約金条項について

本稿では、中国企業との契約において、違約金条項を定めることの可否と違約金条項に関する規律について検討します。

たとえば、日本企業A社(買主)が、中国企業B社(売主)との間で、中国法を準拠法とした売買契約を締結することになったとします。そして、A社として、B社が契約に反して、引き渡し期限になっても目的物を引き渡さないなど、B社に契約違反があった場合に備えて、売買契約書の中に違約金条項を定めることを検討することになったとします。

では、中国法上、違約金条項を定めた場合、有効となるのでしょうか。また、有効に違約金条項を定めることができるとして、どのようなルールがあるのでしょうか。

この点、中国契約法第114条1項は、「当事者は、一方が違約したときは違約の情況に基づき相手方に一定額の違約金を支払わなければならない旨を契約で定めることができ、違約によって生じた損失の賠償額の計算方法を契約で定めることができる」と規定しています。

したがって、上記の事例では、「売主が約定どおりに売買の目的物を引き渡さない場合、買主は売主に対して違約金として●●人民元を支払うものとする」など、一定額の違約金を支払う形での違約金条項を規定することもできますし、「売主が約定どおりに売買の目的物を引渡さない場合、売主は、遅延1日につき売買目的物の代金の●●%を違約金として買主に支払うものとする」など、賠償額の計算方法を定める形での違約金条項を規定することもできます。

では、違約金条項で、違約金の金額や計算方法を定めておけば、定めた通りの違約金を必ず請求できるのでしょうか。また、違約金条項の定めを超えて損害が生じたような場合に、契約で定めた違約金を増額するように請求はできないのでしょうか。

この点については、中国契約法第114条2項では、「契約で定めた違約金が、生じた損失を下回る場合は、当事者は人民法院又は仲裁機関にこれを増額するよう請求することができる。契約で定めた違約金が、生じた損失を著しく上回る場合は、当事者は、人民法院又は仲裁機関にこれを適当に減額するよう請求するよう請求することができる」と定めています。

さらに、司法解釈である、契約法適用の若干問題に関する解釈(二)の第29条においては、「約定した違約金が著しく高いと当事者が主張し、適当な減額を求めた場合、人民法院は実際の損害を基礎として、契約の履行状況、当事者の過失の程度及び期待利益などの総合的要素を考慮して、公平の原則及び信義誠実の原則に基づき考量し、かつ裁決をしなければならない。当事者の約定した違約金が生じた損害の30%を超える場合、通常、契約法第114条2項に規定する『生じた損失を著しく上回る』と認定することができる。」と規定しています。

このように、中国法上、契約書に違約金条項を定めたとしても、契約当事者は人民法院又は仲裁機関にその増減額を請求することができることから、必ずしも違約金条項を定めておけばその通りの違約金を請求できるというわけではなく、他方で、違約金条項で定めた金額が上限となるわけでもないという点に留意が必要です。

 

当事務所では、クライアントの皆様に対して、中国企業と契約を締結するに際し、「誰に何を依頼していいか分からない」「中国との契約に特有のリスクがあると思うが、その内容や対応が分からない」といった状況に対応するため、2019年3月から、中国語(中文)契約書サービスを開始いたしました。こちらのご利用もぜひご検討ください。

以上

(文責:河野 雄介)

2019年04月05日 21:27|カテゴリー:

|タグ:

コメントはまだありません
1